日中韓の関係

近頃中国や韓国の若者と一緒に過ごすことが多かったので、考えたことをちょっと書きたいと思う。

 

最初の中国人の友達ができたのは、高校生のときだった。その子は本当に聡明で性格よくて、上品で大好きだった。現地校にいてもイタリア人とばかり付き合っていて、アジア人とほとんど接点がない私にとっては、その子が現地校で唯一アジアトークができる相手だった。日本のドラマについて話せて嬉しかったのを覚えている。この時点で中国人のイメージはめちゃめちゃ良かった。おそらく生まれ育った環境というのも影響してて、彼女が結構裕福で教養があったから話も性格も合ったのだと思う。あと、彼女も私と同じで欧州育ちだし。

 

韓国人の友達が初めて出来たのは、学生団体で渡米した時。同じグループでディスカッションしていて、アメリカからの帰国子女ということもあり英語ペラペラで議論を引っ張っていた。帰国子女でない他の韓国人もガッツがあって正直「韓国人すごー(;´∀`)」と圧倒されたのを覚えている。何故か「負けた」と思い、「負けたくない。もっと精進しなきゃ」と思った。

 

ぁ、あともう一人いた。高校生の時に日本に帰化した北朝鮮の友達がいた。その子も人懐っこくて性格良かった。私にとっては、その子が初めて接する在日の人で、日本のそういう在日の知識とかに本当に乏しかった私は「えー!日本人の姓でまったくわかんなかったー!」と驚いた。ちなみにその子も純粋な日本育ちの子ではない。

 

時は経ち、大学で過ごす間日中韓の関係は冷え込んでなんかニュースから聞こえてくるのはピリピリするニュースばかり。やれそこで記念碑建てただ、やれこの政治家が参拝しただ、どこかの島に上陸した、どこそこの島の漁師さんが危険に晒されてるなどなど。色々な事件があって、今も現在進行形

 

で、報道が日本発信だとどうしても日本サイドの考えになっちゃうわけですよ。頭では、もっとバランスのとれた情報源を当たらなきゃと思っていても、惰性でしなかったり、日本をちょっと応援したくなる歪んだ愛国心(この言葉の使い方って間違っているかも)があったりでしてこなかった。そこに、2chのまとめサイトをみるようになったから、たまに目に入ってくる右派の記事とかに書いてある煽りがおそらく無意識の層に影響していて、日本が一番まともじゃんと高慢な態度をとっている内なる自分がいて嫌だなぁと思ってた。でも見てみぬふりをしていたわけ。

 

実際に韓ドラや中国の映画みると嫌じゃないのに。むしろ好きなのに。

 

で、今回中国と韓国で育った人たちと初めて接して、「友達」になって。

正直向こうが何人かとかあまり意識しなかったし、あんなにいっぱい緊張しているはずの外交問題なのにそういう嫌な気持ち、優越感や嫌悪感がまったくなかった。

 

むしろ彼らの逞しさや人懐っこさに惹かれて、良い人達だなぁとおもった。優しさ以外の何物でもないし。本当に本当に優しい。それだけ。

 

もちろん実際にその国に行ったら、中国人や韓国人の嫌なところもあるだろうけど、でもそれはアメリカ行ってアメリカ人の嫌とこみたり、トルコ行ってトルコ人の嫌なとこみるのと一緒。

 

周りくどい言い方したけど、何が言いたいかというと、今の私は中国や韓国の人たちのこと考えると温かい気持ちにしかならないということ。

 

それはおそらく人ベースで物事を感じているから。

 

青年の交流が大事だとよく言われるけど、あぁこういうわけなんだなと腑に落ちた。

 

たしかに私がソマリア人やペルー人のことを、自分のことのように考えられるのは、幼い頃から彼らと接してきたからだなと納得。同じように他のアジアの人たちとこの共生の意識を高めるには、まだ柔軟な考え方と感性が備わっている若い時にたくさん交流してその意識を育てていくしかないのだなと。大学時代そういう交流はただただ俯瞰していたし、興味なかったけど・・・いや、こういう交流というか草の根レベルの活動本当に大事だなって思った。そういうことに取り組んでいる人たちに脱帽。

 

最後に、少し話は変わるけど、私イギリスに留学に来て初めてアジア人としての自覚が少しでてきたと思う。

 

私が日本人とかアジア人としての意識が低かった例の一つが、毎年日本で終戦の日を迎えるにもかかわらずWW2というと、私にとっては南京大虐殺や原爆よりもホロコーストヒットラームッソリーニのイメージが強かった。

アジア人としての自覚がないから、大学での知り合いが「日本とアジアを良くしていく」とかいう発言にまったく共感できなかった。でも別にそれでいいと思っていた。私イタリア育ちだからしょうがないよなぁって。

あと例えば開発の仕事とか考えるとき、アジア開発銀行の理念とか読んでも「アジアって言われてもなぁ」と思っていたし、「フィリピン良くするより、アフリカの現状を良くするのがスッと入ってくるな」と思っていた。(ヨーロッパがアフリカを昔植民地化していたのもあって、親近感はこっちの方があるし、実際小さい頃からアフリカ出身の難民や移民の友達はいっぱいいた)

 

そして、大学時代そーんなにアジアを旅したいと思っている自分がいないことに気づいた。せっかく近くにあったのに。

 

でも、今はもっと中国、韓国、タイに行きたい。ワクワクする気持ちがある。

 

相変わらずまとまった文章ではないけど、勢いがあるうちにがーっと書いてみたかった。この中国人や韓国人の人たちに対する感謝と尊敬の温かい気持ちとかを。

 

イギリスで、まったく想像していなかった価値観と巡りあえて良かったなぁ。

こういう価値観の転換が留学の醍醐味なのかな。